
介護職を辞めたいと思ったとき、「もう少し頑張るべきなのか、それとも辞めてもいいのか」と悩んでいませんか?
介護は、覚えることが多く、利用者さん一人ひとりに合わせた対応が必要な仕事です。身体的な負担だけでなく、事故を防ぐための責任の重さにプレッシャーを感じることもあります。
50代で未経験から介護の仕事を始めた私も、実際に働いてみて、想像していた以上に難しい仕事だと感じました。
仕事を覚えられない、思うように動けない、人間関係がうまくいかない。そんな悩みから、「もう辞めたい」と思うこともあるでしょう。
私は、介護職を辞めたいと思ったら、辞めてもいいと考えています。ただし、辞めたい理由によっては、介護の仕事そのものを諦めなくても、職場を変えることで解決できる場合があります。
この記事では、50代未経験から介護職に就き、実際に職場を変えてきた経験をもとに、辞めたいと思ったときに考えてほしいことや、自分に合う職場を見つけるためのポイントをお伝えします。
介護職を辞めたいと思うのは珍しいことではない
どんな仕事でも、辞めたいと思うことはあります。介護職も例外ではありません。
特に未経験から介護の仕事を始めた場合、覚えることが多く、仕事に慣れるまで大変です。
それなのに、人手不足で忙しく、十分に教えてもらえないまま仕事を任されることもあります。
何をどうすればいいのかわからない。うまく動けない。わからないことを聞きたくても、忙しそうで聞きづらい。
そんな環境では、仕事ができない自分に落ち込んだり、出勤するのが憂うつになったりすることもあるでしょう。
また、職場の人間関係がうまくいかず、仕事を続けるのがつらくなることもあります。
人間関係の悩みは介護職に限ったことではありませんが、忙しい現場では、周囲に気を遣いながら仕事を覚えること自体が負担になる場合もあります。
ただ、介護職の場合は、利用者さんの安全に関わる仕事です。
十分に教えてもらえず、わからないことを相談できない環境では、働く人だけでなく、利用者さんにも影響が及ぶおそれがあります。
私も、仕事を覚えるまでは気が重くなることが何度もありました。
最初に勤めた特別養護老人ホームでは、リーダーからこんな話を聞きました。
「辞める人は本当にすぐ辞める。その日で辞める人もいるし、3日後や1週間で辞める人もいる。
でも、1か月、3か月、半年と続くと慣れてきて、辞める人は少なくなってくる」
実際に働いてみて、介護の仕事は慣れるまでが大変なのだと実感しました。
私自身、最初の特養は半年で辞めています。
ただ、仕事についていけなかったからではありません。
ある程度仕事を覚え、介護の現場がわかってくるにつれて、ここで教わった介助方法が自分の当たり前になってしまうことに不安を感じたからです。
私は、きちんとした介助方法を学びたかったのです。
介護施設の中には、丁寧に指導してくれるところもあります。
一方で、忙しさから教える余裕がなく、未経験者が戸惑っていても十分にフォローできない職場もあります。
職場によっては、無理のある介助方法が当たり前になっていたり、教えてもらっていないことができずに責められたりする場合もあります。
もちろん、仕事を覚えるために自分から学ぶ努力も必要です。
しかし、自分なりに努力しても必要なことを学べない環境なら、職場を変えることも考えていいと思います。
介護職は、施設の種類や仕事内容、勤務時間などによって、働き方も経験できる介助も変わります。
今の職場が合わないからといって、介護職そのものが向いていないとは限りません。
「なんだか違う」「ここでは続けられそうにない」と感じたら、まずは何がつらいのかを考えてみてください。
無理をして合わない職場に居続ける必要はありません。
自分に合う職場を探しながら働き方を変えていけることも、介護職の一つのメリットだと思います。
では、介護職を辞めたいと思うのは、どのような理由からなのでしょうか。
50代未経験から介護の仕事を始めると、覚えることの多さや体力的な負担に戸惑うこともあります。私が特養で働いて感じた仕事内容や、未経験ならではの苦労については、こちらの記事で詳しく紹介しています。
介護職を辞めたいと考える主な理由
介護職を辞めたいと思う理由には、次のようなものがあります。
・人間関係
・身体的な負担
・精神的な負担
・教育体制への不満
・給与や待遇への不満
どの仕事にもある悩みですが、介護職では、利用者さんの安全を守る責任や、身体介助による負担が大きく、精神的にも疲れてしまうことがあります。
また、未経験から始めた人にとっては、教育体制も重要です。
介護は覚えることが多く、利用者さん一人ひとりの身体状況や注意点に合わせた対応が必要です。
それなのに、十分に教えてもらえず、「見て覚えて」と言われるだけでは、何をどうすればいいのかわかりません。
仕事を覚えられない不安に加え、できないことを責められれば、辞めたいと思うのも無理はないでしょう。
身体的な負担や給与への不満も、働き続けるうえで大切な問題です。
ただし、辞めたいと思う理由によって、解決方法は異なります。
今の職場で改善できることもあれば、職場を変えたり、勤務時間や仕事内容を見直したりした方がいい場合もあります。
介護職を辞めたいと思う理由は、人それぞれです。
大切なのは、辞めたいと思う自分を責めるのではなく、何がつらいのかを知ることです。
理由がわかれば、今の職場で改善できることなのか、それとも環境を変えた方がいいのか、次の行動を考えやすくなります。
辞めたいと思う自分を責めなくていい
介護の仕事を始めたばかりの頃は、思うように仕事ができず、自分が情けなくなって「もう辞めたい」と思うこともあるでしょう。
介助のコツをつかむまでには時間がかかることがありますし、利用者さんの名前や一人ひとりの注意点など、覚えなければならないこともたくさんあります。
でも、最初から何でもできる人はいません。
きちんと教えてもらっていても、実際の現場で経験を積みながら身につけていくことは多くあります。
十分に教えてもらえない環境なら、仕事を覚えるのが難しいのも当然です。
私も、仕事に慣れるまでは苦労しました。
だからこそ、うまくできないからといって、自分には介護職が向いていないとすぐに決めつけないでほしいと思います。
まずは、何ができていないのか、どこでつまずいているのかを考えてみましょう。
必要なことを教えてもらい、経験を積むことで、少しずつできるようになることもあります。
一方で、努力しても十分な指導を受けられなかったり、心身の負担が大きくなりすぎたりしているなら、無理をして働き続ける必要はありません。
仕事に慣れることで解決する悩みもあれば、職場を変えることで解決できる悩みもあります。
辞めたいと思う自分を責めるのではなく、今の自分に何が必要なのかを考えることが大切です。
では、辞めたいと感じたとき、具体的にどんなことを考えればいいのでしょうか。
後悔のない選択をするためにも、まずは自分がなぜ辞めたいと感じているのか、少し立ち止まって考えてみましょう。
辞めたいと感じたときに考えてほしいこと
介護職を辞めたいと思ったときは、まず自分がなぜ辞めたいのかを考えてみてください。
理由によっては、仕事に慣れることで解決する場合もあれば、職場を変えることで気持ちが楽になる場合もあります。
考えてほしいのは、次の3つです。
介護の仕事そのものが嫌なのか
高齢者と接することや、排泄介助などの身体介護、事故を起こさないための責任の重さが、どうしてもつらいと感じることもあるでしょう。
そうした仕事そのものに強い負担を感じるなら、介護以外の仕事を考えてもいいと思います。
仕事は介護だけではありません。自分に合う仕事を探すことは、決して逃げではありません。
無理をして続けた結果、心や体を壊してしまっては意味がありません。自分には合わないと感じたら、別の道を選ぶことも大切です。
今の職場が合わないだけなのか
介護の仕事そのものは嫌いではないけれど、人間関係がつらい、きちんと教えてもらえない、納得できない介助を求められる。
そんな場合は、介護職そのものではなく、今の職場が合っていない可能性があります。
介護施設には、特別養護老人ホーム(特養)や介護老人保健施設(老健)、有料老人ホーム、デイサービスなど、さまざまな種類があります。仕事内容や働き方、教育体制も職場によって違います。
たとえば、身体介護を幅広く経験できる施設もあれば、入浴介助など特定の業務を中心に働く職場もあります。
今の職場でうまくいかないからといって、ほかの職場でも同じとは限りません。
介護の仕事を続けたい気持ちがあるなら、すぐに介護職そのものを諦めず、職場を変えることも選択肢の一つです。
一時的に疲れているだけなのか
介護は、想像以上に体力を使う仕事です。
私も働き始めた頃は、家に帰るとぐったりして、倒れるように寝てしまうことがよくありました。
そこに仕事を覚える大変さや人間関係の悩みが重なると、「もう辞めたい」と思ってしまうこともあります。
そんなときは、疲れがたまっているだけなのか、それとも仕事や職場に根本的な問題があるのか、少し立ち止まって考えてみてください。
休むことで気持ちが落ち着き、もう少し頑張ってみようと思えることもあります。
ただし、疲れが抜けないほど無理を重ねていたり、出勤すること自体がつらくなっていたりするなら、我慢し続ける必要はありません。休養を取ることや、勤務時間を見直すこと、職場を変えることも考えてみましょう。
自分の本音を知ることが、次の一歩につながる
介護職は、一度辞めたら二度と戻れない仕事ではありません。
別の仕事に移ってもいいし、職場を変えて介護を続けてもいい。いったん離れて、また介護の仕事に戻ることもできます。
大切なのは、無理をして働き続けることではなく、自分にとって何が一番いい選択なのかを考えることです。
介護は、人の生活や命に関わる仕事です。心身ともに疲れ切った状態では、自分自身にも利用者さんにも負担がかかるおそれがあります。
だからこそ、辞めたいと思ったときは、その気持ちを無理に押さえ込まず、理由を一つずつ整理してみてください。
こんな職場なら、無理をして働き続けなくてもいい
介護職を辞めたいと思ったとき、考えてほしいのは、介護の仕事そのものが嫌なのか、それとも今の職場に問題があるのかということです。
介護の仕事では、利用者さん一人ひとりの身体状況や注意点を理解し、安全に介助する必要があります。
未経験であれば、わからないことがあって当然です。
だからこそ、安心して質問でき、必要なことを教えてもらえる環境が大切です。
例えば、次のような状況が続いているなら、今の職場で働き続けるべきか、一度考えてみてもいいと思います。
未経験なのに、十分な説明や指導を受けられない
利用者さんの身体状況や、介助するときの注意点を教えてもらえない
わからないことを質問すると、怒られたり嫌な顔をされたりする
安全ではないと感じる介助を、忙しさを理由に求められる
介助方法に疑問を感じても、相談したり改善したりできる環境がない
もちろん、どの介護施設にも忙しい時間帯はあります。
人手が足りず、一人ひとりに十分な時間をかけられないこともあるでしょう。
しかし、忙しいなかでも教えようとしてくれる職場と、忙しさを理由に必要な指導をしない職場は違います。
介護の仕事は、経験を積めば何でも自己流でできるようになるわけではありません。
間違った介助方法を覚えてしまえば、利用者さんを傷つけたり、自分自身がけがをしたりする危険もあります。
安全面に不安があるときは、一人で抱え込まず、上司などに相談してみてください。
それでも改善されない場合や、安心して働ける環境ではないと感じる場合は、別の職場を探すことも選択肢の一つです。
仕事を覚えるために努力することは大切です。
でも、十分な指導を受けられず、安全面にも不安がある職場で、すべてを自分の努力だけで解決する必要はありません。
今の職場で働き続けることが本当に自分にとってよい選択なのか、立ち止まって考えてみてもいいと思います。
私自身も、介護の仕事を辞めたいと思ったことが何度かあります。
ただ、私の場合は、介護の仕事そのものが嫌になったわけではありませんでした。
では、私が介護職を辞めたいと思ったのは、なぜだったのでしょうか。
次に、実際に働いて感じたことをお話しします。
私が介護職を辞めたいと思った理由
前の章では、介護職を辞めたいと思ったときに、仕事そのものが合わないのか、職場の環境に問題があるのかを考えることが大切だとお伝えしました。
では、私自身はなぜ介護職を辞めたいと思ったのでしょうか。
50代で知らない土地に移り、未経験から介護の仕事を始めることには、大きな不安がありました。
職業訓練で施設実習を経験し、移住するまでの間には「カイテク」などを利用して単発の仕事もしていました。それでも、実際に就職して働くとなると、不安だらけでした。
未経験からの介護は、覚えることがたくさんある
未経験で介護職に入ると、まずは利用者さんの名前を覚え、食事の片付けやお茶の用意など、身の回りの補助業務から始めることがあります。
その後、整容などの生活介助を覚え、慣れてくると、トイレや食事、入浴、移乗・移動といった身体介助も教わりながら行うようになります。
教育体制が整っている施設では、利用者さんの安全に配慮し、必要な知識や技術を身につけながら、段階的に身体介助を任せていくところもあります。
ところが、私が入職した特別養護老人ホーム(特養)は人手が足りず、1週間ほどで利用者さんの名前や配膳、会話、整容などを覚え、2週目からはトイレ介助や食事介助などの身体介助をすることになりました。
利用者さんは60人ほどいました。名前がわからないと仕事にならないため、必死に覚えました。
しかし、名前を覚えることと、その人に合った介助をすることは別です。
利用者さんの身体状況や、介助するときに気をつけることまでは、十分に教えてもらえませんでした。
例えば、麻痺がある場合は、左右どちらに麻痺があるかによって介助の方法や注意点が変わります。
そうした情報を知らないまま介助をすることに、私は大きな不安を感じていました。
「見て覚えて」だけでは、何をすればいいのかわからない
最初の3か月は、仕事から帰ると、トイレ介助や排泄介助、移乗・移動などの動画を見て勉強していました。
それでも、実際の現場では動画のようにうまくいきません。
職場でよく言われたのは、「忙しいから見て覚えて。わからなかったら聞いて」という言葉でした。
でも、未経験者にとっては、見ているだけではわからないことがたくさんあります。
何に注目すればいいのか。自分は何ができていないのか。何を質問すれば理解できるのか。
それすらわからないのです。
さらに、介護の現場では、教える人によって介助のやり方が違うこともありました。中には、安全な方法なのか疑問に感じるやり方もありました。
学校で学んだとおりにはいかないことも多く、経験のない私には、職場で行われている方法が適切なのか判断できませんでした。
このままでは、その施設独自のやり方を覚えるだけになってしまうのではないか。
そんな不安も、少しずつ大きくなっていきました。
忙しい現場では、人を育てる余裕もなかった
人手が足りず忙しい現場では、利用者さんの安全に気を配りながら、日々の仕事を回すだけでも大変です。
実際に働いていた私にも、その大変さはわかりました。
ただ、未経験者にとって、十分に教えてもらえないうえに、できないことを文句や嫌味で指摘されるのはつらいものでした。
そんな中でも、嫌味を言わずに教えてくれる人や、安全に配慮して介助している人はいました。
私はそういう人を見つけて質問したり、介助の方法を見せてもらったりしながら、少しずつ仕事を覚えていくしかありませんでした。
毎日、家に帰るとぐったりでした。
それでも、3か月ほどたつと少しずつ仕事に慣れ、気持ちにも余裕が出てきました。未経験から始めた仕事を覚えたいという気持ちは、ずっとありました。
ところが、仕事に慣れてきたからこそ、気になることも出てきたのです。
利用者さんのためになっているのか、疑問を感じた
その施設では、利用者さんを立たせるときに、ズボンの後ろを引っ張り上げる方法が使われていました。
最初に教えてもらったとき、「本当はよくないやり方だけれど、そんなことを言っていたら事故になるから」と説明されたことを覚えています。
私はその方法に抵抗があり、学校で習った方法で介助していました。
すると、しっかりと話せる利用者さんから、「本当は嫌なんだよ」「股が痛いんだよ」と教えてもらうことがありました。
そのとき、介助を受ける利用者さんの中には、痛みや不快感を我慢している人もいるのだと気づきました。
介助する側にとっては、忙しい中で仕事を進めるための方法だったのかもしれません。でも、介助を受ける利用者さんは、どう感じているのでしょうか。
私は、利用者さんにとって本当にいい介助ができているのか、疑問を感じるようになりました。
その後、介護士が4人辞め、現場はさらに忙しくなりました。
その頃、利用者さんの目つきや会話、行動などに変化が見られることもありました。そうした様子を目にする中で、この環境で働き続けていいのだろうかと考えるようになりました。
もちろん、利用者さんの変化にはさまざまな要因が考えられます。ただ、忙しさが増す現場で働くうちに、私は自分が目指したい介護と、そこで行われている介護との間に、少しずつ違和感を覚えるようになっていったのです。
利用者さんとの別れはつらかった
仕事を覚えたい気持ちはありましたし、利用者さんとの関係もできていました。
そのため、辞めることは簡単な決断ではありませんでした。
それでも、このまま働き続けるより、別の施設で介護を学び直した方がいいのではないかと思い、半年で辞めることにしました。
退職する際、仲の良かった利用者さんから、こんな言葉をかけてもらいました。
「甘えられる人がいなくなった。優しくしてくれてありがとう。次のところでも頑張ってね」
その言葉を聞いたときは、涙が出ました。
利用者さんとの別れはつらかったです。それでも、あの職場で働いたからこそ、施設によって介護のやり方や働く環境が違うこと、そして職場選びが大切だということを学びました。
また、大変なことばかりではなく、利用者さんと関わる介護の仕事そのものは、意外と楽しいとも感じていました。
だからこそ、介護の仕事そのものを辞めるのではなく、別の施設で働いてみようと思えたのです。
未経験だからこそ、学べる環境を選んでほしい
介護職は、未経験で入ると、十分に教えてもらえないまま仕事を覚えなければならない職場もあります。教えたい気持ちはあっても、人手不足で時間を取れない場合もあるでしょう。
だからといって、すべてを自分の努力だけで何とかしようとする必要はありません。
利用者さんの身体状況や介助上の注意点を確認することは、とても大切です。わからないことがあれば質問し、安全に介助できている人のやり方を見せてもらうなど、自分から学ぶ姿勢も必要だと思います。
ただし、質問できる人がいない、安全な介助を学べる環境がないという場合は、職場を変えることも考えていいのではないでしょうか。
私自身、最初の職場で覚えたことが、次の職場でもそのまま生かせるのか、不安に感じることがありました。介護の仕事を始めて1年たった今でも、移乗・移動の方法が本当に適切なのか、迷うことがあります。
それほど、介護は経験を積めば何でもできるようになる仕事ではなく、学び続けることが大切なのだと感じています。
仕事を覚えたい。利用者さんのためになる介護をしたい。
そう思っているのに、職場の環境が合わずに疲れ果ててしまうのは、もったいないことです。
もし今の職場に違和感があるなら、自分の努力が足りないと決めつけず、別の施設を探すことも選択肢に入れてほしいと思います。
私も、最初の職場を辞めたあと、別の施設で働くことにしました。
次の職場では同じ悩みを繰り返したくない。そう考えた私は、給与や勤務時間などの条件だけでなく、仕事をきちんと教えてもらえる環境かどうかも確認しようと思いました。
次の職場では、教育体制も確認しておこう
今の職場を辞めて別の施設に移ろうと思ったとき、給与や勤務時間、通勤距離などの条件は気になると思います。
もちろん、それらも大切な条件です。
ただ、未経験から介護の仕事を始める人や、まだ十分な経験がない人には、もう一つ確認してほしいことがあります。
それは、入職後にどのように仕事を教えてもらえるのかということです。
求人票に「未経験者歓迎」「丁寧に指導します」と書かれていても、実際にどのような指導が行われるかまではわかりません。
面接では、例えば次のようなことを確認してみるといいと思います。
- 入職後は、誰がどのくらいの期間、指導してくれるのか
- 介助方法がわからないとき、すぐに質問できる環境なのか
- 利用者さんの身体状況や注意点は、どのように共有されるのか
- 未経験者は、どのような仕事から覚えていくのか
- 希望する勤務時間や仕事内容で、無理なく働けるのか
すべてを面接で確認するのは難しいかもしれません。それでも、前の職場で困ったことを振り返り、特に気になる点を聞いておくだけでも、職場選びの判断材料になります。
私も次の職場を探したとき、前の職場では十分に学べなかった入浴介助を覚えたいと思っていました。
そのため、通勤距離や給与などの条件に加え、指導してもらえる環境かどうかも確認しました。
職場を変えるなら、同じ悩みを繰り返さないためにも、辞めたいと思った理由を振り返り、次の職場に求める条件を整理しておくことが大切です。
では、実際に職場を変えてみると、何が変わったのでしょうか。
次に、私が別の施設で働いてわかったことをお伝えします。
介護職を辞めたいと感じたときは、自分が介護職に向いていないと決めつける前に、職場との相性を考えてみることも大切です。
介護職に向いている人・向いていない人の特徴については、こちらの記事で紹介しています。
私が職場を変える前に確認したこと
最初の特養を辞めたあと、私が次の職場を探すときに考えたのは、どんな介護技術を身につけたいのか、時給や勤務時間は希望に合うか、家から近いか、そしてきちんと教えてもらえる環境なのかということでした。
このときは、自分にどんな施設が合っているのかまでは、あまり考えていませんでした。
それよりも、まずは介護技術を身につけたいという気持ちが強かったのだと思います。
お風呂介助を経験したいと思った
半年間働いた特養では、お風呂専門のスタッフがいたため、私は入浴介助を経験していませんでした。
介護の仕事を続けるなら、まだ経験していない介助も身につけたい。そう考え、次は入浴介助を専門に行う職場で働いてみようと思いました。
また、実際に働いてみて、介護の仕事は想像以上に体力を使うこともわかりました。
そこで、家から近く、身体的な負担も考慮しながら働ける職場を探し、時給や勤務時間なども比較しました。
その中で目に留まったのが、求人に「1か月は先輩スタッフがついて教える」と記載されていた職場でした。
最初の職場では、十分に教えてもらえないことに苦労したため、次はきちんと仕事を教えてもらえる環境を選びたいと思っていました。
採用面接では、特養で働いて感じたことや、技術を身につけるまではきちんと教えてもらえる環境で働きたいという希望も伝えました。
その結果、無事に採用され、次の職場で働くことになりました。
次の職場に求める条件を整理しよう
今振り返ると、私の場合は、介護の仕事そのものが嫌になったわけではありませんでした。
仕事を覚えたい気持ちはありましたし、利用者さんと関わることにも楽しさを感じていました。
ただ、十分に教えてもらえない環境や、介助のやり方に疑問を感じることが、辞めたいと思った大きな理由でした。
もし、辞めたい理由をはっきりさせないまま次の職場を探していたら、また同じような問題に悩んでいたかもしれません。
だからこそ、介護職を辞めたいと思ったときは、次の職場を探す前に、自分の気持ちを整理してみてほしいのです。
例えば、こんなことを考えてみてください。
- なぜ辞めたいと思っているのか
- 今の職場で何が嫌だと感じているのか
- 何が改善されれば、働き続けられそうなのか
- 介護の仕事そのものは続けたいと思っているのか
- どんな働き方や施設なら、自分に合いそうなのか
- 次の職場では、何を大切にしたいのか
介護の仕事は、精神的にも肉体的にも負担が大きい仕事です。疲れがたまっていると、何もかも嫌になってしまうこともあるでしょう。
でも、ただ疲れた、もう嫌だという気持ちだけで次の仕事を探すと、同じような環境を選んでしまう可能性もあります。
もちろん、心や体が限界なら、無理に我慢する必要はありません。
そのうえで、少し落ち着いて考えられるなら、自分が何につらさを感じているのか、次はどういう環境で働きたいのかを整理してみてください。
辞めたい理由がわかれば、今の職場で改善できることなのか、別の施設に移った方がいいのか、それとも介護以外の仕事を考えた方がいいのか、次の一歩が見えやすくなると思います。
私も、次の職場を探すときに、前の職場で感じた問題を振り返り、学びたい介助や働く条件を考えました。
では、実際に職場を変えてみると、何が変わったのでしょうか。
次に、別の施設で働いてわかったことをお伝えします。
実際に職場を変えてわかったこと
次に選んだのは、入浴介助を専門に行う職場でした。
求人には、入職後1か月は先輩スタッフがついて教えると書かれていました。実際にそのとおりの研修があり、入浴介助の手順や注意点を教えてもらえたので、未経験の私にとっては安心できる環境でした。
それでも、入浴介助は覚えることがたくさんあります。利用者さん一人ひとりの身体状況や体調に合わせた対応が必要で、介護は経験を積みながら学んでいく仕事なのだと、改めて感じました。
わからないことを聞ける環境が、安心につながった
次の職場は、開設から5年ほどの施設でした。
インカムを使った情報共有が取り入れられていて、わからないことや不安なことがあれば、インカムで質問すると、誰かが答えてくれる環境でした。
そのおかげで、疑問をそのままにせず、確認しながら仕事を覚えていくことができました。
介護の仕事では、利用者さんの身体状況やその日の体調に合わせて、介助の方法を考える必要があります。いつもと違う様子に気づいたときや、判断に迷ったときに、すぐに誰かに確認できることはとても大切です。
これは、未経験者だけに必要なことではありません。
経験を積んだ介護士でも、新しく利用者さんを担当するときや、以前から知っている利用者さんの身体状況が変化したときには、確認が必要になります。
経験があるからといって、すべてを一人で判断できるわけではありません。わからないことを聞ける環境は、介助する側の安心につながるだけでなく、利用者さんの安全を守るうえでも大切だと感じました。
短時間のパートだからこそ、情報共有がありがたかった
正社員やフルタイムで働いていると、利用者さんの記録を確認したり、ミーティングに参加したりする機会があります。
一方、私のように短時間のパートで働いていると、勤務時間の関係で、利用者さんの情報を十分に把握する機会が限られることもあります。
だからこそ、インカムを通じて必要な情報を確認できることは、とてもありがたく感じました。
また、わからないことを気軽に聞ける環境では、スタッフ同士で助け合う場面も多くありました。私が働いた職場では、嫌味を言われることも少なく、安心して仕事を覚えていける環境だったと思います。
もちろん、どの施設でも同じとは限りません。それでも、実際に転職してみて、施設によって情報共有の方法や教育体制、職場の雰囲気が違うことを実感しました。
できることが増えると、自信につながる
入浴介助を続けるうちに、少しずつ自信がついてきました。
「これだけ入浴介助ができるようになれば、ほかの入浴専門の仕事や、カイテクなどの単発の仕事にも挑戦できるかもしれない」
そう考えられるようになったのです。
最初の職場では、わからないことが多く、自分の介助方法が正しいのか不安になることもありました。
でも、教えてもらいながら経験を積むことで、少しずつできることが増えていきます。その積み重ねが、自分の自信につながるのだと感じました。
そして、自信がついてきた頃、もう一つの気持ちが生まれました。
それは、入浴介助だけでなく、移乗や移動など、まだ不安が残っている介助も、もう一度しっかり学びたいという気持ちでした。
入浴介助を専門にする職場では、その技術を身につけることができます。一方で、ほかの介助を経験する機会は限られます。
せっかく介護の仕事をするなら、もっといろいろな介助ができるようになりたい。自信を持って利用者さんを支えられるようになりたい。
そう思うようになり、私は次の転職を考え始めました。
施設によって、身につけられる介助技術は違う
介護の仕事は、働く施設によって経験できることが違います。
例えば、特養では、さまざまな身体状況の利用者さんと関わるため、食事介助やトイレ介助、おむつ交換など、幅広い介助を経験する機会があります。利用者さんの状態によっては、立つことが難しい方の介助なども必要になります。
一方、デイサービスでは、自立している利用者さんが多い施設もあり、特養とは必要になる介助技術や仕事内容が異なる場合があります。
もちろん、利用者さんの状態や仕事内容は施設によって違うため、一概には言えません。
ただ、一つの職場で経験できる介助には限りがあります。同じ介護職でも、働く場所が変われば、新しく学べることがあるのです。
私自身、転職したことで、職場によって教え方や経験できる介助が違うことを知りました。そして、きちんと教えてもらえる環境があれば、できることが増え、自信を持って次の目標を考えられることもわかりました。
最初の職場でうまくできなかったことも、環境を変えて学び直すことで、少しずつ身につけていける。私はそのことを、実際に転職して初めて実感しました。
50代で未経験から介護の仕事を始めた私でも、職場を変えながら経験を積み、自分にできることを増やしていくことができました。
次に、50代未経験からでも職場を変えることはできるのか、私自身の経験をもとに考えていきます。
50代未経験からでも職場を変えることはできる
介護の仕事は、50代からでも始められる仕事だと言われています。
ただ、実際に50代で未経験の仕事に就くことは、決して簡単ではありません。
介護は覚えることが多く、利用者さん一人ひとりの身体状況や注意点を理解しながら、安全に介助する必要があります。自分の仕事が利用者さんの生活にも影響するため、責任も大きな仕事です。
働き始めた頃は、覚えることの多さに戸惑い、体力的にも疲れ、何度も辞めたいと思うかもしれません。
私自身も、未経験から介護の仕事を始め、最初の職場では思うように仕事を覚えられないことや、十分に教えてもらえる環境がなかったことに苦労しました。
それでも、職場を変えて新しいことを学ぶうちに、少しずつできることが増えていきました。
介護の仕事は、一度覚えたら終わりではありません。施設によって経験できる介助が違いますし、利用者さんの身体状況や体調によっても対応は変わります。
だからこそ、今の職場でうまくできないことがあっても、それだけで自分には介護の仕事が向いていないと決めつける必要はないのです。
もちろん、職場を変えればすべてが解決するわけではありません。新しい仕事を覚える苦労もありますし、体力的な負担が大きいことも変わりません。
それでも、介護職には施設の種類や勤務時間、仕事内容など、さまざまな働き方があります。
正社員として働くだけでなく、短時間のパートを選んだり、入浴介助など仕事内容を絞って経験を積んだりする方法もあります。
50代になると、転職を繰り返すことや、次の仕事が見つかるかどうかに不安を感じる人もいるでしょう。
だからこそ、今の職場を辞めたいと思ったときは、焦って次を決めるのではなく、自分が何につらさを感じているのか、どんな環境なら働き続けられそうかを考えてみてください。
大切なのは、できない自分を責めることではありません。教えてもらえる環境があれば身につけられることもありますし、働き方を変えることで負担を減らせる場合もあります。
50代だからといって、今の職場で無理をして働き続ける必要はありません。
今の職場が合わないと感じているなら、介護の仕事そのものを諦める前に、別の施設や働き方を探してみるのも一つの方法です。
介護職は辞めたいと思ったら辞めてもいい|ただし次の一歩は考えておこう
50代で未経験から介護の仕事を始めると、覚えることの多さや体力的な負担に戸惑い、辞めたいと思うこともあるでしょう。
しかし、介護職にはさまざまな働き方があります。
施設の種類を変えたり、正社員から短時間のパートに変えたり、仕事内容を絞って働いたりすることもできます。職場を変えることで、今まで経験できなかった介助を学び、自信につながることもあります。
私自身、最初の職場では、十分に教えてもらえないことや介助方法への不安に悩みました。それでも、職場を変えたことで新しい介助を覚え、少しずつ自信を持てるようになりました。
ただ、介護の仕事は忙しさに追われ、自分の気持ちを見失ってしまうこともあります。
特に、責任感が強い人や、利用者さんのことを大切に思う人ほど、「自分が頑張らなければ」と無理をしてしまうことがあるのではないでしょうか。
でも、自分自身が心身ともに疲れ果ててしまっては、仕事を続けることも難しくなります。
自分に合った環境で、気持ちに余裕を持って働けることも大切です。今の職場を変えることで無理なく働けるようになるのであれば、私は転職してもいいと思います。
ただし、辞めたい理由を整理せずに次の職場を探すと、同じような悩みを繰り返してしまうこともあります。
転職するときは、給与や勤務時間などの条件だけでなく、なぜ今の職場を辞めたいのか、次の職場では何を大切にしたいのかも考えておきましょう。
例えば、仕事を教えてもらえないことがつらかったのであれば、次は教育体制を重視する。体力的な負担が大きいのであれば、仕事内容や勤務時間を見直す。
辞めたい理由がわかれば、次の職場を選ぶ基準も見えてきます。
利用者さんを大切に思う人ほど、無理をしてしまうことがある
介護職を辞めたいと思っても、なかなか辞められない人もいると思います。
仕事が大変だからという理由だけではなく、利用者さんのことが気になり、自分が辞めたら困る人がいるのではないかと考えてしまうからです。
私自身も、最初の職場を辞めるときはつらい気持ちがありました。
利用者さんとの関係ができていて、優しく接してくれる人もいました。辞めるときには、ある利用者さんから「甘えられる人がいなくなった。優しくしてくれてありがとう。次のところでも頑張ってね」と声をかけてもらい、思わず涙が出ました。
利用者さんとの別れはつらく、簡単に割り切れるものではありませんでした。
でも、利用者さんを大切に思うことと、自分が無理をして働き続けることは同じではありません。
職員が足りないことや、十分な指導ができない職場の体制まで、一人の職員が背負う必要はないのです。
本当はもっと丁寧に介護をしたいのに、職場の環境が原因で心身ともに疲れ果ててしまう。そんなことがあれば、利用者さんにとっても、働く人にとっても残念なことだと思います。
介護の仕事を大切に思っているからこそ、働く環境を変えるという選択肢もあります。
もちろん、退職するときには、職場の規定や必要な引き継ぎなどに配慮することも大切です。
それでも、自分の心身や安全を犠牲にしてまで、働き続ける必要はありません。
今の職場を辞めることは、介護の仕事を諦めることと同じではないのです。
辞めたい理由を整理して、次の一歩を考えよう
介護職を辞めたいと思ったときは、すぐに結論を出す前に、自分の気持ちを少し整理してみてください。
例えば、次の3つを考えてみましょう。
- 私は、介護の仕事そのものが嫌になったのだろうか?
- 今の職場ではなく、別の環境なら続けられそうだろうか?
- 次の職場では、何を変えたいのだろうか?
この3つを考えるだけでも、これからどうしたいのかが少しずつ見えてくると思います。
介護の仕事が好きなら、職場を変えて続ける道もあります。今の働き方が負担になっているなら、勤務時間や仕事内容を見直す方法もあります。
反対に、介護の仕事そのものが自分に合わないと感じるなら、別の仕事を選んでもいいのです。
大切なのは、辞めることを失敗だと考えず、自分がこれからどう働きたいのかを考えることです。
今の職場で頑張り続けることだけが、正解ではありません。
自分の心と体を大切にしながら、納得できる働き方を見つけていきましょう。
まとめ|介護職を辞めたいと思ったら、自分に合う働き方を考えよう
介護職は、覚えることが多く、体力的にも精神的にも大変な仕事です。
特に50代で未経験から始める場合、仕事を覚えられなかったり、職場の人間関係に悩んだりして、辞めたいと思うこともあるでしょう。
でも、辞めたいと思ったからといって、自分を責める必要はありません。
介護の仕事そのものが合わないのか、今の職場が合わないのか。それを考えることで、次の選択肢が見えてくることもあります。
私自身、最初の職場では苦労しましたが、職場を変えたことで新しい介助を学び、介護の仕事の楽しさにも気づくことができました。
利用者さんを大切に思う気持ちは、介護をするうえで大切なことです。だからこそ、その気持ちを持つ人が無理を重ね、介護の仕事そのものを嫌いになってしまうのは、とても残念なことだと思います。
今の職場で働き続けることだけが正解ではありません。自分に合った環境を探すことも、介護の仕事を続けるための一つの選択です。
辞めることも、職場を変えることも、決して失敗ではありません。
まずは、自分が何につらさを感じているのか、これからどう働いていきたいのかを考えてみてください。
あなたが無理なく働ける場所で、自分らしく介護の仕事に向き合えることを願っています。



