
地方移住で家探しをするとき、多くの人は間取りや価格、築年数など建物そのものに目が向きます。
私も岡山へ移住するときはそうでした。
不動産業界で働いていた経験があったため、建物の状態や契約面についてはある程度わかっていたつもりです。
しかし実際に住んでみると、家そのものよりも周辺環境や近隣との距離感、地域の雰囲気のほうが暮らしやすさに大きく影響することを実感しました。
地方の家探しは、都会の家探しとは少し考え方が違います。
建物だけを見て決めてしまうと、「思っていた暮らしと違った」と感じることも少なくありません。
この記事では、実際に大阪から岡山へ移住した経験と、不動産業界で働いていた経験をもとに、地方移住の賃貸・中古住宅選びで後悔しないためのチェックポイントを紹介します。
家探しではなく、暮らし探しのつもりで読んでみてください。
地方移住の家選びで後悔する人が多い理由
地方移住では、自然の豊かさや家の広さに魅力を感じて物件を決める人が少なくありません。
もちろん家そのものも大切です。基礎の状態や水回り、断熱性能などは快適な暮らしに直結します。
特に古民家は趣がありますが、断熱材が入っていないことも多く、冬の寒さや維持管理の負担まで考えておく必要があります。
また、畑や山林付きの物件も魅力的に見えますが、「本当に自分が使うのか」という視点も大切です。
使わなければ管理の負担となり、将来的には自分だけでなく次の世代の負担になることもあります。
私自身、不動産業界で働いていた経験があったため、家そのものを見ることには慣れていました。
しかし実際に移住して感じたのは、家以上に大切なのは周辺環境や暮らしとの相性だったということです。
隣家との距離感、地域の雰囲気、道路の広さ、買い物や病院へのアクセス。
さらに将来、自分が高齢になったときにも暮らし続けられる環境なのか。
家選びは「どんな家に住みたいか」だけではなく、「どんな暮らしをしたいか」を考えることが大切です。
そして、その暮らしが本当に実現できそうかを、家と周辺環境の両方から確認することが後悔しない移住につながると私は感じています。
では、実際に家を探すときには、どんなところを確認すればよいのでしょうか。
まずは、内見に行く前に確認しておきたいポイントから見ていきましょう。
内見前に確認したいチェックポイント
私自身、家そのものばかり見ていましたが、実際に住み始めてから影響が大きかったのは、周辺環境や地域の特徴でした。
そこで、内見に行く前に確認しておきたいポイントをまとめました。
周辺環境
地方移住では、家そのものだけでなく周辺環境も必ず確認しておきましょう。
まずチェックしたいのは、生活に必要なお店や施設です。
Googleマップを使って、内見予定の家からどの程度の距離に次のような施設があるか確認してみてください。
・スーパー
・ドラッグストア
・病院
・郵便局や銀行
・市役所
・コンビニ
・ガソリンスタンド
・バスのルートなど車以外の交通手段の有無
・匂いや騒音が気になる施設の有無
実際に住み始めると、買い物や通院など日常生活で何度も利用することになります。
家が気に入っても、生活が不便すぎると暮らし続けるのが大変になることがあります。
また、仕事が決まっている場合は職場までの距離も重要です。
地図上の距離だけで判断せず、平日の出勤時間帯にルート検索を行い、渋滞や通勤時間も確認しておくと安心です。
さらに、家の周囲に何があるのかも見落とせません。
例えば畑が近ければ、農作業の音や肥料のにおいが気になる場合があります。
水路があれば湿気や虫の発生状況、山が近ければ日当たりや風通しへの影響も確認しておきたいポイントです。
木々が多い場所は自然が豊かな反面、虫が多くなることもあります。
物件情報の写真だけでは分からないことも多いため、内見前にGoogleマップやストリートビューを活用し、「実際に住んだらどんな暮らしになるだろう」とイメージしてみましょう。
朝起きてから買い物に行くまでの流れや、通勤・通学、休日の過ごし方など、普段の生活を具体的に想像してみると、その場所が自分に合っているか見えてくることがあります。
家だけでなく、その周辺も含めて確認し、「ここで暮らしたい」と思える生活のイメージができるかどうかを考えてみてください。
それが移住後の後悔を減らす大切なポイントです。
ネット回線
地方移住では、ネット回線やスマートフォンの電波状況も事前に確認しておきたいポイントです。
都市部では当たり前のように利用できる光回線ですが、地域によっては利用できる回線事業者が限られていることがあります。
そのため、現在利用している回線が使えなかったり、選択肢が少ないことで通信速度や料金に影響が出たりすることもあります。
実際に我が家も移住前は月額3,750円程度で利用できていましたが、移住後は利用できる回線が限られていたため、現在は月額5,180円ほどかかっています。
また、光回線が利用できる地域でも、利用者数や設備の状況によっては思ったほど速度が出ないケースもあります。
気になる物件が見つかったら、各通信会社のホームページで提供エリアを確認し、どの回線が利用できるのか調べておくと安心です。
スマートフォンの電波状況も忘れずに確認しましょう。
私の場合は、屋外では問題なく利用できるものの、自宅の中では電波が入りにくくなりました。
その後、携帯会社へ相談したところ、自宅用の電波改善機器を無料で貸し出してもらえたため、現在は問題なく利用できています。
ネット回線やスマートフォンは毎日の生活に欠かせないインフラです。
特に在宅勤務やオンライン会議を利用する方は、家を決める前に通信環境も確認しておくことをおすすめします。
「家が気に入ったのに希望する回線が使えなかった」ということもあるため、内見前の段階で調べておくと安心です。
災害リスク
地方移住では、災害リスクの確認も欠かせません。
自然豊かな環境は魅力ですが、その分だけ自然災害の影響を受けやすい地域もあります。
例えば、山の近くでは土砂災害、川や海の近くでは浸水や洪水のリスクがあります。
また、地方には山の麓や傾斜地に住宅が建っている地域もあります。
気になる物件が見つかったら、自治体が公開しているハザードマップを確認し、その場所にどのような災害リスクがあるのかを調べておきましょう。
最近はインターネットで簡単に確認できるため、内見前の段階でも十分調査できます。
また、地域によっては年間の降水量や台風の通り道、積雪の有無など、気候の特徴も暮らしに大きく影響します。
我が家も海に近い場所のため、水害リスクについて事前に調べました。
ハザードマップでは浸水想定区域の境界付近に位置していたため、大雨や台風の際は特に注意しています。万が一に備えて土のうも準備しています。
ただ災害リスクがあるからといって、必ずしも住めないわけではありません。
大切なのは、その地域にどのようなリスクがあり、どのような備えが必要なのかを理解したうえで住むことです。
移住先を選ぶ際は、家の価格や景観だけでなく、「もしもの時にどうなるか」という視点も忘れずに確認しておきましょう。
地域の年間気候
家探しをしていると、どうしても間取りや価格、築年数など家そのものに目が向きがちです。
しかし、実際に暮らし始めると毎日影響を受けるのは地域の気候です。
移住先を検討するときは、年間の降水量や気温、湿度、積雪の有無など、その土地の気候を確認しておきましょう。
特に気をつけたいのが、現在住んでいる地域との比較です。
気温を見比べたときに「それほど変わらない」と感じても、実際に暮らしてみると体感は大きく異なることがあります。
私の場合も、移住前に気温を調べた際は大きな差がないように見えました。
しかし実際には冬の最高気温はほぼ同じだったものの、最低気温は約3℃低く、想像していた以上に寒さを感じました。
また、海の近くでは潮風の影響で湿気やすくなったり、山が多い地域では霧が発生しやすかったりと、数字だけでは分からない特徴もあります。
こうした気候の違いは、洗濯物の乾きやすさや光熱費、車の管理、住まいの快適さにも影響します。
家は後からリフォームできますが、その土地の気候を変えることはできません。
移住先を選ぶ際は家だけでなく、「その地域で一年を通して快適に暮らせるか」という視点でも確認してみてください。
ここまでの内容は、内見に行く前でもある程度調べることができます。
では、実際に物件を見に行ったときには、どこを確認すればよいのでしょうか。
ここからは、私が内見するときに特に確認しておきたいポイントを紹介します。
内見で必ず確認したいポイント
内見では、間取りや部屋の広さを見るだけではなく、実際に暮らし始めたときのことをイメージしながら確認することが大切です。
特に地方の中古住宅は、築年数や設備だけでなく、建物の状態や日当たり、駐車場、隣家との距離など、実際に現地へ行かなければ分からないこともあります。
「この家なら、ここで暮らせそう」
そう思えるかどうかを確かめるためにも、内見では次のポイントを順番にチェックしてみてください。
まずは、建物そのものの状態から見ていきましょう。
基礎部分と外回り
中古住宅の内見では、室内の状態だけでなく基礎や外回りも必ず確認しておきましょう。
地方の中古住宅は都会のように常に管理されているとは限らないため、建物の状態がそのまま現れていることも少なくありません。
まず確認したいのが、基礎や外構部分です。
基礎やブロック塀、外壁に大きなひび割れや傾きがないかを確認しましょう。小さなひびでも場所や状態によっては注意が必要です。
雨樋も詰まっていることがよくあります。
特に庭に屋根より高い木がある場合は、はしごに登りトイの掃除をする必要があるかもしれません。
屋根の状態もできれば確認したいところです。
内部の天井に雨漏りの跡がなくても、屋根材が傷んでいれば将来的に修繕が必要になります。
瓦屋根であれば割れやズレがないか、金属屋根であれば塗装の劣化やサビが出ていないかを遠目から確認してみましょう。
外構もブロックではなく垣根の場合も田舎はよくあります。
道路に枝が飛び出さないか?隣家に入らないかなども確認が必要です。
庭に大きな石や植木だらけの場合も不要な場合は処理できるのか考えてみてください。
私は過去に購入を検討していた物件を再度見学した際、建物がわずかに傾いていることに気付いた経験があります。
傾きは約2cm程度でしたが、長く住むことを考えると不安があり購入を見送りました。
家は見た目の印象だけでは判断できません。
将来の修繕費も含めて考えながら、基礎や外回りの状態をしっかり確認することが大切です。
外側に問題がないことを確認したら、次は実際に室内へ入り、床や建具、天井など建物内部の状態もチェックしていきましょう。
建物内部の状態
地方移住で中古住宅を購入する場合は、建物内部の状態もしっかり確認しておきましょう。
内見では間取りや日当たりに目が向きがちですが、実際に住み始めてから気になるのは床や建具、壁、天井などの状態です。
まず確認したいのが床です。 室内を歩きながら、きしみや沈み込みがないか確認してみましょう。
また、歩いたときに違和感がないか、床が大きく傾いていないかも意識してみてください。
特に古い住宅では、一見きれいに見えても床下の劣化によって柔らかくなっていることがあります。
厚みのあるスリッパでは分かりにくいため、可能であれば薄めのスリッパや靴下で歩いてみると状態を確認しやすくなります。
次に、窓やドアなどの建具も必ず開閉して確認しましょう。
内見でドアは開いたままになっていることが多いため見落としがちですが、実際に動かしてみると建具が歪んでいたり、閉まりが悪かったりすることがあります。
窓やドアがスムーズに動かない場合や、閉めても隙間ができる場合は、建物の歪みが影響している可能性があります。
窓のクレセント錠も問題なく閉まるか確認しておくと安心です。
また、窓枠周辺にカビや結露の跡がないかも見ておきましょう。
断熱性能や換気や湿気状況の参考になることがあります。
壁や天井も重要なチェックポイントです。
クロスの汚れや傷だけでなく、ひび割れや膨らみがないか確認してみてください。
古い住宅では砂壁が使われていることもあります。
砂壁は張り替えに手間がかかるため、手で軽く触れてみて、表面がボロボロと落ちてこないか確認しておくと安心です。
天井については、雨漏りの跡やシミ、たわみがないかも確認しましょう。
たまに動物が入り込んでいることもあるので音がしないかにも気をつけてください。
特に押し入れや収納内部は見落としやすいため、可能であれば扉を開けて状態を確認することをおすすめします。
建物内部の不具合は、家具が置かれていたり室内がきれいに整えられていたりすると気付きにくいことがあります。
見た目だけで判断せず、「実際に住んだら快適に暮らせるだろうか」という視点で一つひとつ確認してみてください。
水回り
水回りは中古住宅の中でも特に重要なチェックポイントです。
キッチンやトイレ、お風呂などは毎日使う設備であり、劣化が進んでいると生活の快適さに大きく影響します。
また、水回りはリフォーム費用が高額になりやすいため、内見時にしっかり確認しておきたい部分です。
我が家も移住後にトイレを交換しましたが、それだけで約30万円かかりました。
壁紙や床材であれば多少古くても使い続けることはできますが、水回りは故障すると生活に直結するため、「何とか使う」が難しい設備でもあります。
内見では現在問題なく使えるかだけでなく、「あと何年くらい使えそうか」という視点でも確認してみましょう。
特に地方の中古住宅では、トイレが汲み取り式だったり、浄化槽を利用していたりするケースも少なくありません。
将来的に洋式トイレへ変更したい、汲み取りから浄化槽へ変更したい、下水道へ接続したいと考えている場合は、事前に費用や工事の可否を確認しておくことをおすすめします。
また、浄化槽の場合は設備が正常に動いているかも重要です。
空き家期間が長い住宅では、ブロワーなどの機器が故障していることもあり、修理や交換が必要になる場合があります。
さらに、浄化槽は定期点検や清掃などの維持管理費用が必要です。
地域や使用状況によって異なりますが、下水道より費用が高くなることもあるため、年間の維持費も確認しておきましょう。
キッチンの使い勝手も見落としやすいポイントです。
古い住宅ではシンクや作業台の高さが低いことがあります。わずか数センチの違いでも、毎日使ううちに腰への負担を感じることがあります。
また、お風呂についても確認しておきたいところです。
古い住宅ではタイル張りのお風呂が多く、断熱性能も現在の住宅ほど高くありません。冬場は想像以上に寒く感じることがあります。
水回りは見た目だけでは判断しにくい部分ですが、交換や修理には大きな費用がかかります。
今の状態だけでなく、「この先何年使えるだろうか」「自分たちにとって使いやすい設備だろうか」という視点で確認しておくことが大切です。
また、ガスの種類も確認しておきましょう。
地方の中古住宅ではLPガス(プロパンガス)を使用している物件も多くあります。
都市ガス用とLPガス用のコンロは仕様が異なるため、現在使っているコンロをそのまま持ち込めるとは限りません。
ガスの種類が変われば、コンロなどの買い替えが必要になることもあります。
内見時には、どのガスを使用しているのか、現在設置されている設備が何に対応しているのかも確認しておくと安心です。
日当たりと風通し
日当たりと風通しも、内見の際に必ず確認しておきたいポイントです。
住む前はあまり気にならなくても、実際に暮らし始めると洗濯物の乾きやすさや室内の湿気、光熱費などに大きく影響します。
ただし、内見時の日当たりだけで判断するのは注意が必要です。
日当たりは時間帯によって大きく変わります。
見学した時間に日当たりが良かったとしても、一日を通して同じとは限りません。
例えば山が近い物件では、午前中は日が当たっていても午後からは山の影になり、思ったより日照時間が短いことがあります。
逆に日当たりが良すぎる物件は冬は快適ですが、夏は室温が大きく上がりやすくなることもあります。
地方では高い建物が少ないため、都会以上に日差しが直接当たるケースも少なくありません。
そのため、東西南北の方角や周辺環境もあわせて確認しておきましょう。
気に入った物件であれば、可能であれば時間帯を変えて再度訪問し、日当たりの変化を確認することをおすすめします。
また、隣家や周囲の建物によって日当たりが変わることもあります。
家だけを見るのではなく、周辺の建物や樹木の位置も確認しておきましょう。
風通しも重要なチェックポイントです。
内見の際は窓の位置を確認し、「窓を開けたらどのように風が通るだろうか」とイメージしてみてください。
可能であれば実際に窓を開けて、風の入り方や周辺の状況も確認してみましょう。
例えば家の裏側に草が生い茂っている場合は、風通しが悪くなったり虫が発生しやすくなったりすることがあります。
また、近くに畑がある地域では、肥料のにおいや野焼きの煙が風向きによって室内へ入ることもあります。
日当たりや風通しは図面や写真だけでは分からないことが多いポイントです。
実際に現地で確認し、「この家で一年を通して快適に暮らせそうか」という視点で考えてみてください。
駐車場と道路幅
地方移住では車が生活の必需品になる地域も多いため、駐車場と道路の状況は必ず確認しておきましょう。
庭が広い物件を見ると「駐車場には困らなさそう」と思いがちですが、実際には軽自動車しか停められない広さだったり、駐車しにくい形状だったりすることがあります。
また、斜面に建つ住宅では道路から家まで車で入れず、離れた場所に駐車場を借りなければならないケースもあります。
内見の際は、
・どこに車を停めるのか
・車の出し入れはしやすいか
・前面道路の交通量はどうか
・来客用の駐車スペースは確保できそうか
なども確認しておくと安心です。
我が家も生活道路に面しているため、駐車場から出る際は道路の状況が見えにくく、後からカーブミラーを設置しました。
安全のためには必要な設備ですが、当然費用もかかります。
また、前面道路の幅も重要なチェックポイントです。
道路幅が狭いと車のすれ違いが難しいだけでなく、将来的なリフォームや修繕工事の際に工事車両が入れないこともあります。
特に前面道路が4m未満の場合は、建築基準法上の制限が関係するケースもあります。
再建築や増改築に影響することがあるため、不動産会社へ確認しておくと安心です。
さらに、毎日車を使う生活を想像してみることも大切です。
「この道幅で毎日駐車できるだろうか」「夜でも安心して出入りできるだろうか」といった視点で確認すると、住み始めてからのストレスを減らせます。
家は気に入っていても、車の出し入れが毎日の負担になることは少なくありません。
地方では車が生活の一部になることが多いため、駐車場にできる位置と道路幅は必ず現地で確認しておきましょう。
隣家との距離や境界と庭
内見では家の中ばかりに目が向きがちですが、庭や隣家との距離も必ず確認しておきたいポイントです。
田舎は家同士が離れているイメージを持たれがちですが、新興住宅地や昔からの集落では意外と隣家が近いことも少なくありません。
そのため、庭に出たら建物を見るだけでなく、実際に暮らすことをイメージしてみましょう。
例えば、
・洗濯物はどこに干すのか
・その場所は周囲から見えないか
・隣家の窓からの視線は気にならないか
・自分はどの程度の距離があれば安心して暮らせるのか
などを考えてみることが大切です。
また、移住後にやりたいことも思い浮かべてみてください。
家庭菜園やガーデニング、DIY、バーベキューなど、田舎暮らしに憧れていることがあっても、隣家との距離によっては音やにおいが問題になることがあります。
「この庭で本当にやりたいことが実現できるだろうか」
という視点で確認しておくと、移住後のギャップを減らせます。
境界の状況も確認しておきたいポイントです。
購入時には境界を説明してもらえますが、現地でもどこが境界なのかを確認しておきましょう。
境界が曖昧な土地は将来的なトラブルにつながることがあります。
さらに、隣家の植木が越境していないか、落ち葉や枝が影響しそうかも見ておくと安心です。
庭の状態から周辺環境を読み取ることもできます。
例えば苔が多い場所は日当たりが悪く湿気がたまりやすい可能性があります。
湿気が多い場所は虫も発生しやすくなるため、庭や周辺の様子も確認しておきましょう。
虫は自分の敷地だけでなく周囲の環境から発生することもあります。
また、庭に植えられている樹木や庭石にも目を向けてみてください。
前の所有者が大切にしていたものでも、自分にとっては管理が負担になることがあります。
特に大きな庭木や庭石は撤去にも費用がかかるため、残したいのか、将来的に処分したいのかも考えながら確認しておくと安心です。
庭は自由度が高い反面、維持管理が必要な場所でもあります。
「この庭を自分は管理していけるだろうか」
「どんな庭にしたいのだろうか」
そんな視点で見てみると、購入後のイメージがしやすくなります。
実際、庭の土や植栽は後から手やお金をかけて変えることができます。
しかし、隣家との距離や周辺環境を変えることはできません。
家を見るだけではなく、「ここでどんな暮らしをするのか」をイメージしながら庭を一周してみることが、後悔しない家選びにつながります。
家そのものだけでなく、地域全体を見て住む場所を選ぶことも大切です。私が岡山への移住で学んだ「住む場所選び」のポイントはこちらで紹介しています。
住み心地とイメージ
家探しでは、間取りや築年数、価格などの条件に目が向きがちです。
もちろんそれらも大切ですが、意外と忘れられがちなのが「住み心地」です。
どんな家を心地よいと感じるかは人によって違います。
静かな環境が好きな人もいれば、買い物が便利な場所が安心できる人もいます。
庭仕事がしたい人もいれば、手入れの少ない暮らしを望む人もいるでしょう。
だからこそ内見では、家の状態を確認するだけでなく、自分がそこで暮らす姿を想像してみてください。
朝起きてから夜眠るまで、どんな一日になるでしょうか。
どこで洗濯物を干し、どこでくつろぎ、どんな景色を見ながら過ごすのでしょうか。
また、自分は何にストレスを感じやすいのかも考えてみてください。
多少の不便は気にならないのか、それとも移動時間や寒さ、騒音などは避けたいのか。
反対に、自分が本当に大切にしたい暮らしは何なのか。
その家や周辺環境で、それは実現できそうでしょうか。
私は家探しをするとき、建物や設備だけでなく「この家で気持ちよく暮らしている自分を想像できるか」を大切にしています。
数字や条件だけでは判断できない部分ですが、家との相性は確かにあります。
家そのものに目を奪われるのではなく、そこでの暮らしと今の自分の生活を重ね合わせながら見てみる。
そんな視点を持つことで、自分に合った住まいを見つけやすくなると思います。
周囲や地域の雰囲気
最後に、家の確認が終わったら周辺を少し歩いてみてください。
家探しでは建物そのものに意識が向きがちですが、実際に暮らし始めると毎日接するのは地域の風景や雰囲気です。
思ったより車の通行量が多いかもしれませんし、人通りが少なく静かな環境かもしれません。
田園風景に安心感を覚える人もいれば、山並みを眺めると落ち着く人もいます。
反対に、自然が豊かでも自分には少し合わないと感じることもあります。
周りの景色を見ながら、
「この場所で毎日暮らしたらどうだろう」
と考えてみてください。
見ていてホッとできる景色でしょうか。
気持ちよく散歩できそうでしょうか。
家がどれだけ気に入っていても、地域の雰囲気が自分に合わないと、暮らしの満足度は下がってしまうことがあります。
地域には数字や地図だけでは分からない空気感があります。
そのため、可能であれば車を降りて実際に歩いてみることをおすすめします。
歩いてみると、
・道路の様子
・周辺の手入れ状況
・人の気配
・生活音
・景色の広がり方
など、車では気付かなかったことが見えてきます。
また、自分がその地域に対してどのような印象を持つのかも感じてみてください。
落ち着くのか、少しざわつくのか、それとも特に何も感じないのか。
正解はありません。
ただ、その感覚は実際に暮らし始めた後の住み心地につながることがあります。
私自身、家探しの際には周辺を散歩するようにしていました。
その中には、なぜか落ち着かないと感じた場所や、反対に「ここは気持ちがいいな」と感じた場所もありました。
もちろん直感だけで家を決めることはできません。
しかし、条件や設備だけでは分からない部分を補うヒントとして、自分の感覚を大切にしてみるのも一つの方法です。
家探しは建物を選ぶ作業ではなく、これからの暮らしを選ぶ作業でもあります。
ぜひ最後に少しだけ散歩をして、その地域の空気を感じてみてください。
実際に物件を見て、周辺も歩いてみると、写真や資料だけでは分からなかった疑問が出てくることがあります。
気になる点があれば、そのままにせず不動産会社に確認しておきましょう。
次は、私が家探しの際に「これは聞いておきたい」と思う、不動産会社への質問について紹介します。
不動産会社に必ず聞いておきたいこと
不動産会社には遠慮せず、気になることは何でも聞くことをおすすめします。
「こんなことを聞いたら迷惑かな」「何度も質問して申し訳ないな」と思うかもしれません。
しかし、不動産は人生の中でも大きな買い物です。
だからこそ、物件だけでなく担当者についても知っておくことが大切だと思います。
私は不動産業界で働いていましたが、質問への対応には担当者の人柄や仕事への姿勢がよく表れます。
分からないことをその場で適当に答える人もいれば、一度持ち帰って調べてから丁寧に説明してくれる人もいます。
また、こちらの話をしっかり聞いてくれるか、メリットだけでなくデメリットも伝えてくれるかなども重要なポイントです。
家にも相性があるように、不動産会社や担当者との相性もあります。
そのため、質問は情報収集だけでなく、「この人から家を買って大丈夫だろうか」を確認するための時間だと思ってください。
いわばお見合いのようなものです。
物件を見るだけでなく、担当者の対応もしっかり見ておきましょう。
私が聞いておきたいと思うのは、次のような内容です。
・なぜ売却することになったのか
・空き家期間はどのくらいか
・過去の修繕履歴
・境界は確定しているか
・自治会について
・ネット回線の状況
・再建築できるか
・この地域で暮らす上で注意することはあるか?
もちろん、これ以外でも気になることは何でも聞いて構いません。
自分で調べても分からなかったことや、後から確認しようと思っていることなど、疑問があれば遠慮せず質問してみてください。
聞かずに購入してから「知らなかった」と後悔するよりも、納得できるまで確認してから決めるほうが安心です。
分からないことや気になることがあれば、遠慮せずに質問してみてください。
質問への答えだけでなく、そのときの担当者の対応も含めて見ておくと、家探しを進めるうえでの安心材料になります。
物件だけを見るのではなく、「この場所で、この人と、この家を選んで大丈夫そうか」という視点でも確認してみてください。
私が岡山移住で学んだこと
ここまで、内見前に確認しておきたいこと、実際の内見で見るポイント、不動産会社に聞いておきたいことを紹介してきました。
どれも家選びでは大切な確認事項ですが、実際に大阪から岡山へ移住してみると、「事前にもっと考えておけばよかった」と感じたこともありました。
ここからは、私自身の移住経験をもとに、地方の家探しで実際に感じたことをお伝えします。
大阪から岡山へ移住して感じたのは、地方の家探しは都会の家探しとは少し考え方が違うということです。
特にマンション暮らしが長かった方は、その違いに驚くかもしれません。
地方には古い住宅が多く残っており、断熱性能や設備、水回りなどが現在の住宅とは大きく異なる場合があります。
例えば、古民家や古い住宅のお風呂に使われているタイルは趣があって魅力的に見えます。
しかし実際には冬場は非常に冷たく、滑りやすいため、高齢になったときのことを考えると不安を感じることもあります。
古い家が悪いわけではありません。
ただ、今の暮らしだけでなく、これから先の暮らしや老後まで考えながら選ぶことが大切だと感じました。
また、田舎は隣家との距離が離れていると思われがちですが、実際には集落や住宅地では家同士が近いことも少なくありません。
私自身、家そのものには目を向けていましたが、隣家との距離や周辺環境については十分に考えられていなかった部分がありました。
もし地方で静かな暮らしやゆとりのある生活を求めているのであれば、窓から見える景色や庭から見える隣家との距離感も確認しておくことをおすすめします。
家だけが理想通りでも、周囲の環境が自分に合わなければ暮らしの満足度は大きく変わってしまいます。
私が移住して感じたのは、家選びで大切なのは建物そのものよりも、「どんな暮らしをしたいのか」をイメージすることでした。
・ここでどんな毎日を送りたいのか。
・歳を重ねても暮らしやすい環境なのか。
・周囲の景色や雰囲気に心が落ち着くのか。
そんな視点で家を見ることで、物件の見え方は大きく変わります。
100%理想通りの物件に出会うことは難しいかもしれません。
それでも、自分が大切にしたい暮らしの軸を持って家探しをすることで、後悔は少なくなるはずです。
家だけではなく、地域の雰囲気や景色、人との距離感にも目を向けながら、「もしここで暮らしたら」と想像してみてください。
そして、良いと思った感覚だけでなく、少し気になる違和感も大切にしてください。
その積み重ねが、自分らしい移住先との出会いにつながると思います。
家はDIYやリフォームによって少しずつ自分好みに変えていくことができます。
しかし、近隣との距離感や地域の雰囲気、周辺環境を後から変えることはできません。
だからこそ、家そのものだけでなく、その場所でどんな暮らしができるのかを考えながら選ぶことが大切だと思います。
田舎での心地よい暮らしは、建物以上に近隣の雰囲気や周辺環境に大きく左右されることも少なくありません。
家選びでは『今ここで暮らせるか』だけでなく、『この先もここで暮らせるか』まで考えておくことも大切です。
実は私自身、大阪の家を残したまま岡山へ移住しています。
移住するときはすべてを手放して新しい土地で暮らすという選択肢もありましたが、年齢を重ねれば暮らしやすい環境は変わりますし、家族の状況によって生活も変化します。
そのため私は、「いつでも帰れる場所」を残しておきたいと考えました。
また、岡山で購入した家も将来的に売却できることを意識して選んでいます。
移住先を終の住処として考えるだけでなく、将来の暮らし方の変化も見据えておくことも大切です。
心地よい暮らしと老後を見据えながら、万が一「違う」と感じたときには売却という選択肢も持てるような家を探しておくことは、移住後の安心につながると私は感じています。
まとめ
地方移住の家探しでは、都会と同じ感覚で物件を選ばないことが大切です。
家の価格や間取りだけで判断するのではなく、周辺環境や隣家との距離、地域の雰囲気、ネット環境、災害リスクなども含めて確認しておきましょう。
また、田舎の中古住宅や空き家は築年数が古いものも多いため、基礎や屋根、水回りなどの状態もしっかり見ておく必要があります。
ただ、私が移住して感じたのは、最終的に大切なのは建物そのものではなく、「そこでどんな暮らしをしたいのか」という視点でした。
家を見るときは、間取りや設備を見るだけでなく、「もしここで暮らしたら?」と想像してみてください。
・どんな毎日を送りたいのか。
・老後も無理なく暮らせそうか。
・周囲の環境や景色は自分に合っているのか。
そんな視点で見ていくと、自分に合う家かどうかが見えやすくなります。
100%理想の物件に出会うことは難しいかもしれません。
それでも、自分が大切にしたい暮らしの軸を持ちながら家探しをすることで、移住後の後悔はきっと減らせるはずです。
家探しは、家を選ぶことではなく、これからの暮らしを選ぶことでもあります。
ぜひ建物だけでなく、その場所でどんな毎日を送りたいのかを想像しながら、自分らしい移住先を見つけてください。
この記事が、あなたらしい移住先と出会うきっかけになれば嬉しく思います。
関連記事
家を選ぶときは、購入費や家賃だけでなく、移住後の生活費も含めて考えておきたいところです。
実際にかかった生活費はこちらの記事で紹介しています。
地方では、住む場所によって車が必要になるかどうかも大きく変わります。
実際に地方移住して感じた車の必要性や維持費についてはこちらの記事で紹介しています。




